理想のグリップを求めて
僕が卓球を始めたころに
最初に買ったラケットはクリセールFLだった。
グリップ中央にニス塗りのない木材が斜めにあしらわれていた。
当時、「最速モデル」などとは知らず、
卓球を習っていた先生に選んでもらった。
その先生はシェークなのに
自分に合うようにグリップを削っていた。
よりにもよって、ただでさえ細いパロニアを削っていた。
その薫陶を受けた僕は、
クリセールのグリップを削りまくることになる。
「グリップの細さ=強さ」だと完全に勘違いしていた。
そして、僕の通っていた中学校では
シェークグリップを削ることは完全にスタンダードとなっており、
中にはプリモラッツを極限まで細く削りすぎて、
打球時にボキっとやった奴さえ居た始末だ。
当時の僕たちは、
松下プロモデルがカット用であることさえ知らずに、もちろん削っていた。
しかも友達の松下プロモデルを。
大人になってからは、
シェークグリップを削ることはなくなった。
理由として、手が大きくなったこともあるだろうけど、
カスタマイズは一歩間違うと取り返しのつかないことになるから
というのが一番大きいと思う。
そして、お金を稼ぐようになってから、
自分の腕前は棚に上げ、道具を追求し、
たくさんのラケットを購入して握りまくっている。
そうするとやっぱり好みのグリップがあることが分かる。
そう、細目のやつだ。
ButterflyのコルベルFL、Nittakuのアクティブ7といった、
細くて平べったいやつらだ。
もちろんパロニアも好きだ。
でもブレードはインナーフォースZLCが好きなので、
特注でコルベルのグリップをつけたいと思ったが、
既に夢の話となっている。
古いアクティブ7のグリップを外そうと思って、
ネットでやり方を調べたが面倒なので止めた。
考えた挙句、久々に封印を解いてグリップを削ってみた。
二十年ぶりぐらいに。
紙やすりの240番を用いて、
少し削っては握りを繰り返してみた。
すると、かなり手のひらに馴染むグリップになってきた。
ぐらつくことが少なく、心地よいグリップになった。
そのラケットで練習してびっくり。
グリップが決まるとこんなにも簡単に威力がでるのですね。
もう特注もラケット探しも要らない気がしています。
二本目のキーショットと入れ違いで失くしてしまったクリセール
そして、キーショットも失くしてしまった。
大事にしておけばよかった。